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特集:Interview(Part2) 目的に応じたメールの書き方


CMS(コンテンツ・マネジメント・システム)の構築とコンテンツ企画・制作・支援をされているSpoo!代表取締役 川崎和哉氏に目的に応じたメールの書き方、また最近のWEBメディア、Eメールに足りないことについて伺いました。



Spoo! inc.
代表取締役 川崎和哉氏
http://www.spoo.jp/


── Eメールマーケティングにおいては、「新規顧客を獲得するメール」と「新商品や新サービスを認知させるメール」、「既存顧客の満足度を高めるメール」など様々な目的があるのですが、目的に応じた書き方というのがあるのでしょうか?

新規のお客様、そのサービスを知らないユーザーに向ける時は、その人がそれでどんないいことがあるのか、ということがわかる要素、何か1つ得する要素を入れることです。


新商品、新サービスを認知させる場合、我々は700字とか長く原稿を書くことが多いのですが、その時に1から順番に説明していくのではなく、最初に商品名とそれは何をするものか、ということがわかるその二つの要素を最初の一文とか二文とかに入れこんじゃう。そのあとで細かい話をするという点に気をつけるようにしているます。下の方まで読んでもらえないことが多いと思うので、端的に商品名とそれは何かというのをタイトルのメインのところに入れるとかですね。


既存のお客様向けのメールはよく知ってくれているお客さんたちなので通り一遍な話をするとまたこの話かという話になりやすい。なるべく知らなかったようなちょっとしたことでもいいので一個でも小さい発見のようなものを入れられるように気をつけたいなと思っています。


── メールの中でも最初に目に入る、というところでは件名が重要になってくるのですが、件名を考える際のポイントがありましたら教えてください。

気をつけている部分は具体性という部分です。多くのメールから見つけ出してもらう時に漠然とした件名だとスパムと区別がつかなくなってしまう。最近の出会い系サイトなどのスパムはかなり功名になってきていて「お得です」とか「遅れてすみません」とか…。
それと戦うのは具体名とかブランド力のある製品名を絶対入れないと埋もれてしまうのではないかとおもいます。そういう意味ではどこから来たメールなのか、どこかがオーサライズしてくれるサービスがあったらよかったりするのかもしれませんね。


── もしよろしければ、最近の川崎さんの気になっているメールマガジンがありましたら教えていただけますか?
内容が18禁のサイトで微妙なのですが...「LOVE COSMETIC」というアダルトグッズのECサイトで対象が女性なのです。そこはかわいらしいメールマガジンでそういった新しいマーケットを開拓しているのですが、商品が商品だしHな話とかもあるので、どうしてもえげつなくなりがちなところをラブコスメティックという造語によってうまく本質を変えずに、例えば、女性がエステに行ったりお稽古ごとに行ったりして自分を向上させるのと同じように、自分の性生活も向上させようという前向きな視点で、毎週メールを配信しています。紙媒体もあるのですがこれはうまいなぁと思います。サイトも奇麗なのですがメルマガが一番よくできていますね。


あとは日興コーディアルが出している週一回配信されてくる株の話のメルマガなのですが、そのメルマガからPDFにリンクが貼られていてウィークリーのかなりしっかりした分析が読めるようになっているのです。それは本当にストレートなのですが、受け取って読むバリューがはっきりあるコンテンツなので良く読んでいますね。翌週の株式相場のトレンドとか今注目の銘柄の研究とか結構ちゃんと書かれている。実は、僕は違うオンライン証券を使っているので、日興コーディアルのユーザーではないのです。今使っているところはそういったサービスがないので。ストレートなバリューが高いものというのは読まれるのだなと思います。


そういった意味では、開いたらバンっと強いコピーがあってポチっと押させても「先はWEBで」というパターンだけじゃないかもしれないなぁと思いますね。そのかわり手間はかかるというのがありますが。


── 人気のメールには何か共通点はあるのでしょうか?
受取って、件名にかいてある「お得な」とはまた違う、本当に何かユーザーがメールを開いてためになったとか、ある知識を得られたとか、いい商品が見つかったとか、当たり前の話ですけど、何かバリューをきちんと与えてあげないといけなくて、先ほどの日興コーディアルとかラブコスメティックはそれが出来ているのではないかと思います。


ラブコスメティックに関して言うと、自分の受信箱に届くメールと、本屋さんで本を買うのとでは違うと思います。センシティブな内容のもので、かつ自分が読むに値するものがメールボックスに届くというのは、ニーズが満たされているのだろうなと思います。日興コーディアルのメールもそうですね。そういったメディアがたぶんこれからは生き残って行くのではないでしょうか。


── 最近のメールマガジンやWEBメディアで何か足りない点やお気づきの点はありますか?
WEBになって紙媒体しかなかった頃に比べ、日本語に対する気づかいみたいなものが明らかに下がっていて、日本語が汚かったり荒っぽかったり文法がひどかったりします。ただ僕はそれ自体がいけないとは思っていなくて、WEBというものの特性だったりメールというものの特性だったりしますので。
昔、紙媒体はある限られた層の人たちだけがメディアを持てて情報を発信できたというものだったので、やはりそこに載る日本語はかなり研ぎすまされたものでないと認められなかった。WEBはあらゆる人がテキストをバンってかいてボンっと載せられるメディアなので基本的なリテラシーさえあれば作れるメディアだから、それはそういうものなので通用してもいるからOKなのだなと基本的には思っているのですが。


逆にブランドとして力のある所やあるいは高級感がそのブランドの売りとなっている企業は、これからEメールやWEB上でも、デザインだけではなく日本語の精度をあげていかないと差別化できないのかなと思います。オンラインのニュースメディアでも日本語が結構めちゃくちゃだったり誤植がすごく多かったりとか、紙にいたときの感覚とはかなり違います。誤植は恥で、誤植が3つとか見つかると怒鳴られるということは、たぶんWEBにはないと思うので。


対極にある奇麗な研ぎすまされたコピーみたいなものをきちんと使うメールとかWEBというのも何か付加価値になるのではないかなと思います。


特集:Interview(Part1) Eメールと紙のライティングの違い


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川崎和哉氏 プロフィール
1966年、石川県生まれ。横浜市立大学文理学部卒業。音楽雑誌「ロッキング・オン」(ロッキングオン)編集部、音楽雑誌「音楽と人」(シンコーミュージック)編集部を経て、独立系の編集者/ライターに。1995年に出版した編著書「ネットトラヴェラーズ95」以降、デジタルカルチャー分野が主なフィールドになる。1997年より2000年6月まで、オンラインマガジン「HotWired Japan」(NTT-X・当時)副編集長を務める。2000年3月、有限会社スプー設立。リスナーによる音楽情報&コミュニティサイト「OOPS! Music Community」を運営する。
現在の連載:「テレビブロス」(東京ニュース通信社)

 
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