私の2006年10大予測
1:Eメールアドレス取得努力の拡大
ブランド企業がEメールをその効率性と有効性からマーケティング手法に採り入れようとする流れから、顧客や利用者のEメールアドレスを許可を得て収集・リスト化することはさらに重要となり、企業の基本戦略のひとつになるでしょう。顧客との接点となる人員(個々の販売担当者など)はセールス&コミュニケーション活動の一環として、顧客のEメールアドレスの収集を義務づけられるかも知れません。
2:顧客へのフォーカスの増大
・ 関連性が決め手
顧客との有益な関係を継続するべく各種データや顧客に関する知識の活用していくにしたがって、関連性というものが最優先事項になるでしょう。
・ メッセージの最適化を中心に
スパム(不特定多数に発信される同一のメッセージの意)が効果的でない以上、既存・新規の顧客に対するメッセージの最適化にフォーカスし、テーマに関連性のある、的をしぼったメッセージを制作する必要性が高まるでしょう。
・ COMに代わるCRM
CRM(顧客との関係管理)の実現には、同時にCOM(顧客ごとの最適化の管理)も必要です。これには何度もキャンペーンを実施し、そのつど得られた反響などから、時間をかけて(顧客に発信する)メッセージを最適化することで顧客との関係を築いていくようになるでしょう。
3:データ、分析、統合を三点セットで
・あらゆる方向から分析
顧客に関する知識をさらに高めるために、より高度で多方向の分析・追跡テクニックを駆使し、Eメールならびに統合的なマーケティングプログラムをきめ細かくセグメント化・予測・評価するようになるでしょう。
・ 溢れるようなデータ
企業におけるデータマートの構築がいっそう進み、顧客や顧客との関係をあらゆる角度からマーケティング的な視点で見渡せるようになるでしょう。
・ あらゆる形で統合
企業は、マーケティングならびに顧客とのコミュニケーションを、さまざまな手法を通じて見直すことになるでしょう。マーケティング部門間での協力や調整を進めつつ、新たな統合的なマーケティングを主導すべく再編が継続されるでしょう。
4:インバウンドを新たなアウトバウンドに
顧客からの問合せやビジネスルール(インバウンド)に基づいて、関連性の高いコンテンツの精査・制作・発信に努めることで、顧客との関係をいっそう向上させ、複数の手法による顧客向けメッセージに一貫性を持たせるようになるでしょう(アウトバウンド)。
5:インタラクティブ戦略としてロイヤルティが浮上
ワンクリックで簡単に比較しながらのオンラインショッピングなど、Eコマースは成長の一途をたどっていますが、その大手ブランドでは主要オンライン顧客セグメントを守るために、いかに付加価値やロイヤルティ(顧客の期待どおりに動作すること)を与えるかを検討するようになるでしょう。
6:B2Bでは確実な配信が新たな課題に
CipherTrust、Symantec、Postini等の(発信元の評判に基づく)スパム対策ソリューションとそれらに対する需要が高まる中で、B2Bマーケティングでは相手先企業にメッセージを確実に伝えるための対策が必要になるでしょう。前述のスパム対策ソリューションは、すべてのEメールに対して(発信元に関係なく)同レベルでコンテンツをフィルタリングを実行するようなことはしません。発信元のIPアドレスの過去の送信コンテンツがあればそれと照らし合わせ、企業ネットワークに入れる前に、そのIPアドレスから送られたEメールにどの程度のフィルタリングを実行するかを決定します。
これらのスパム対策ソリューションでは、必要な手続きと技術的な変更を実施したEメール発信元(マーケティング実施者)だけを「認証された正当な発信者」として見なすため、そこから発信されたEメールに対するフィルタリング量が減ると同時に、相手先企業に対するEメールの配信率が高まります。競争が激しく需要が細分化された市場では、これらのソリューションベンダーがそれぞれの2006年版製品で、アドオンの認証ソリューション、ドメインレベルでの評価機能、ブラウザを使ったスパム報告ボタンといった機能強化を果たしてきたとしても不思議ではないでしょう。
7:マーケティングサイドとISPのコミュニケーションは引き続き向上
特に期待されるのは、Abuse Reporting Format(ARF)と呼ばれるフィードバックループの新標準が、Messaging Anti-Abuse Working Group(MAAWG)などの団体を通じて開発・奨励されることです。既存のフィードバックループはAOLやJuno/NetZeroなどの初期導入組によって確立され、マーケティングサイド、消費者サイド、ISPサイドのいずれにも等しく有効なものでした。スパム報告(フィードバック)の共通規格を用意すれば、より多くのISPがスパム対策ソリューションを導入する門戸を開くことになり、結果的に、マーケティングサイドとのコミュニケーションが向上し、迷惑メール(本来のスパム)の処理効果も高まることになります。
8:Eメール戦略はローカルかつグローバルに
ローカルなEメールマーケティングは、企業のマーケティング部門の責任の下で広がりを見せるでしょう。各地域の販売担当者・部門・支店が権限を持って企業マーケティングを独自展開する一方で、本社がそれ(地域ごとのマーケティング活動)の法令遵守と承認に当たり、CAN-SPAMに関する法令遵守と企業メッセージの一貫性を確実なものとする形です。Eメールマーケティングは、イギリスやドイツが主導しながら国際的にも広がるでしょう。Forrester Research社では、ヨーロッパにおけるEメールサービス市場が次の5年間で現在の2倍以上になると予測しています。
9:マルチな世界にはマルチなセールスフォースが必要
企業は自社の販売体制を精査し、新しい多様な層のEメール受信者に対して売り込めるチームを編成するために、既存人員の再訓練や新たな求人活動を本格的に実施する必要に迫られるでしょう。ネット販売、Eメールによるニュースレター、スポンサー活動など、出版業界における印刷媒体の広告販売と同様のことが大々的に行われるようになるでしょう。新しい世界では、費やした金銭的コストと追求できるROIの関係を明確にしなければなりません。選択した手法に関係なく、販売チームはコンテンツとその受け手の新しい強力な結び付きについて顧客に訴えていかなければなりません。
10:急いで取り組もう
驚くべきことに上記の事柄をまだ信じていない人々がおり、その際たる例が出版業界です。出版社がインターネットを新たな出版メディアとして受け入れず、オフラインおよびオンラインを通じて読者や発行部数を獲得できることを理解し、情報の受け手(広義の読者)がインターネットに移行していく中で印刷物の発行部数を増やそうとするのは無駄な努力でしかないことを、出版社は理解するようになるでしょう。まずは信じることから始めなければなりません。
さあ、私の予測はすべて当たるでしょうか。疑わしいものです。そんな才能があるなら、すでにメガロタリー(数字の組み合わせを当てるジャンボ宝くじ)で1等を取っているはずです。しかしながら、私は、2006年がこの業界においてエキサイティングな年になることを確信しています。2007年1月にお会いして、どれだけ私の予測が現実のものになったか振り返ってみることにしましょう。
では、また次回まで。
アル・ディグイド氏
miemsのパートナー企業であるEメールマーケティングに関するトータルサービスならびにASP eCRMソリューション大手の
Epsilon Interactive 社(旧 Bigfoot Interactive : ニューヨーク)の最高経営責任者(CEO)。